TOP » Movians » 「メゾン・ド・ヒミコ」
2005.10.01 23:02(Sat)

「メゾン・ド・ヒミコ」

Category:Movians
MDHimiko.jpg

1日ということで1000円で見れるし、前々から見たかったダギリジョー&柴崎コウ主演の「メゾン・ド・ヒミコ」を見に行ってきました。

"ゲイ"の話ということで最初はどんな映画なんだろう。
あの「ジョゼと虎と魚たち」や「タッチ」を作った犬童一心監督作品だし…
そんな期待と不安の中見てきました。

>>「メゾン・ド・ヒミコ」

この映画率直に言って"Very Good!"です。
生と死、そして性について考えさせられる見終わったあとやさしい気持ちになれる映画でした。

※ここからネタばれあり

MDHimiko03.jpgストーリーは柴崎コウ演じる沙織、彼女はゲイで母親と自分を捨ていなくなった父親を恨んでいる。母親は病気のために亡くなり、その手術費用などのために借金を抱えていて、返済のために昼間の塗装会社の事務員とは別に夜はコンビニ、ついには風俗で働こうとまで考えている。
そんな彼女の前に現れたオダギリジョー演じる春彦が沙織に癌で余命幾ばくもない自分の愛人であり、沙織の父のために父・ヒミコが経営するゲイのための老人ホームで破格の給料(日給3万円)で働いてくれと現れたところから始まります。
沙織は嫌々ながらも働き、ゲイの父親、そして他のホームの住人たちと心通わせていきます。

MDHimiko02.jpgこの映画は一見"暗い"イメージが強いのですが、ギャグがうまい具合に入っていてメリハリが良い。
特に沙織の感情の表し方はよく、柴崎コウの演技が良かった。(でもインタビューにもありましたが彼女の"素"!?でもあるのかもしれませんが…)
今回なんと"すっぴん"で沙織を演じているのだが、逆に飾らない感じがまた映画の雰囲気とあっていた。
ただ、映画の中で"バニーガール"や"チャイナドレス"、"バスガイド"といったコスプレをしたり、ダンスホールで踊ったり、孫から謎の言葉「ピチピチピッチー」と書かれた手紙を受け取ったゲイ(通称:ルビー)にそれは子供に人気のアニメ(劇中の)の主人公(セーラームーンぱくり!?)のキャラクターの決め台詞「ピチピチピッチー」のことだと振り付けこみで教えているシーンがあり笑いましたね。(上の写真)

MDHimiko04.jpg最初、沙織はゲイ(同性愛者)を毛嫌いし、触られることも嫌がっていたのですが、彼らの心を通わせていくにつれて彼らを"一人の人間"として接し、心を開いて行きます。
なぜかゲイであるはずのダギリジョー演じる春彦は沙織にキスをし、体をせまるのですが、彼の本心では女性の体をもとめていないために沙織は傷つきます。
また、物語の一つの転機としてルビーが脳卒中になってしまい、このホームでは介護できないということでルビーを息子夫婦のもとにゲイとは黙って暮らさせるようにします。そこで沙織は「結局、自分勝手なだけじゃない…逃げているだけ」と言うシーンがあるのですが、同性愛者への、父への不満が爆発するのですが、その気持ちはゲイを毛嫌いしていたころの心ではなく、彼らを一人の人間として想っていると思えるシーンでした。
そして、沙織だけではなく、見ている我々もまた見る前とはまた違った想いを感れるそんな作品でした。

MDHimiko01.jpgこの映画でもホームの近くの中学生がおかまだと叫んだり、壁にいたずらしたり、ダンスホールで昔の部下がゲイだと知ったときの仕打ちなど同性愛者たちの世間での見られ方を表現しています。
ただ、そのいたずらしていた学生の一人は後で自分もゲイだと気づいてしまいます。オダギリジョーが好きだと。

また、ルビーの病気、そして父親の死を通じて成長する沙織や春彦含めたホームの人たちの表現はうまかったし、サウンドも良かった。
「タッチ」のときも感じたのですが、犬童監督の作品では空や海などの自然を取り入れた映像がシーンの合間やシーンのバックに映されていて好きですね。
最初、ゲイの話だと聞いてあまり良いイメージではないと思っている方でもこの作品おすすめですね。
本当に心温まる良い作品です。