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2007.11.07 23:57(Wed)

クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード講演会

クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード講演会クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード講演会

6日に福岡市美術館で行われたクリスト・アンド・ジャンヌ=クロード講演会に行ってきました。なんでも今進行中の二つのプロジェクト「Over The River(写真:左)」やアラブで行われているプロジェクトについての説明なども行われるようです。

何をした方かと言うと昔、少年ジャンプで連載されていた「すごいよ!!マサルさん」でマサルさんの家が白い布で覆われているのを見て「なんで布がー!!?」と言っていましたが、簡単に言いますとその元ネタ(ってかマサルさんの作者は確実に影響受けたと思う)のようなことをした人達です(笑)

二人は"クリスト""ジャンヌ=クロード"という夫婦でして、前文のような建物を布で包んだり、川や谷間に大きな布をかけたりして、布を使った構造物を都市や郊外の空間に持ち込むことによって、景観を一時的に変貌させ、人々に強烈な印象を与えてきた環境芸術家です。
その作品の規模は地球全土に及び、スケールが大きく各国にたくさんのファンがいます。

今回もそんな二人の講演会ということで立ち見も出て講堂に入りきれないたくさんの方々が集まっていました。
しかも告知は県美やアートリエくらいにDMが置いてあったくらいでほぼ100%口コミや業界関係者、美術系の学生ばかり...すごいです!

この二人の作品のすばらしいところはやはりスケールと、建物や川(自然)などを包み、周辺を含めた景色を一新させるところですね。
クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード講演会
上の写真はドイツの主都ベルリンのライヒスタークという建物を白い布で包みこんだ作品なんですが、まずやはりこの建物に布をかけたということが一番ビックリします!

講演会で当時の状況を聞いているとドイツが統一される前で建物の使用許可が下りなかったことや布をかけるときにロッククライマーが釣り下がって少しずつ布で包んでいったようです。
(Wrapped Reichstag, Berlin 1971-95 / 包まれたライヒスターク、ベルリン)

クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード講演会クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード講演会
そしてこちらは日本とアメリカにそれぞれいくつものをアンブレラを配置した作品です。

青いアンブレラは日本の茨城県の谷に設置されたもので、プロジェクトが実行された次期が秋ということで、日本では雨期を終えて青々としげった自然と谷を流れる川をイメージして表現されたものらしく、逆にアメリカのカリフォルニアに設置された黄色いアンブレラは、乾燥している西海岸の大地、そして生えている黄金に輝いてみえる草を表現されているみたいです。
(The Umbrellas, Japan - USA, 1984-91)

クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード講演会陸以外にも島の周りをピンクの布で覆った「Surrounded Islands, Biscayne Bay, Miami, Florida, 1980-83 / 囲まれた島々)」なども見た目のインパクト、そして二人が込めた意味なのとても興味深いですね。

これはマイアミの海に船が通る為に掘られた土で作られた人工島で、計11の島々がピンクの居られたポリプロピレンの布で囲まれています。
"ピンク"にした意味というのは二人が「実際にマイアミに行って街を見たらわかる」と言っていましたが真意はいかに!?

ただ、制作期間を見たらわかるかと思いますが、それぞれのプロジェクトには多大な年月がかかっていて、一つはその建物や地域を使う為の許可、そして技術的な問題など、プロジェクトが発案されてから実行されるまではスパンが長いです。(現在抱えている二つのプロジェクトも最短で2012年に出来たら良い方だということだそうです。 )

しかも、こんだけ大きなプロジェクトを進行するにあたってネックになる"資金"をスポンサーなどをつけず自腹でやっているところもすごいところですね。
一回のプロジェクトにつき2000万ドル(約3億円)ほどかかる資金をすべて自分たちの作品などで稼いだお金でやっているのだからビックリです!
「スポンサーがいたら自分たちのやりたいことができないから...」という二人の考えはすばらしいし、すべての人の理想でもあり、やるには難しいことだと思います。
逆に自分たちでやってきたからこそこんなにもスケールの大きい、時間のかかるプロジェクトが達成できたのだと思いました。

二人は偶然にも同じ誕生日の夫婦でその熱意は72歳を迎えられた今もすごいものが感じられました。
お話の後には質疑応答があったのですが、二人ともしゃべりたがりのようでマイクを取り合っていたのが印象的でした。
多少奥さんをたてている(!?)、尻に引かれているところもこれまでのプロジェクトの成功、そして夫婦円満の秘訣なのかもしれませんね(笑)
他にもクリストは昔から踊る大走査線で青島が着ていたコートの色違い(!?)のコートを好んで着ているようで、講演のスライドの中でも「写真に写っている当時も今日着ているものと同じコートを着ていました」なんて言われていました(笑)

クリスト・アンド・ジャンヌ=クロード講演会

そんなわけでとても興味深い講演会でしたが、最後に一番印象に残った言葉として「絵や彫刻のような形の残る物ではなく、一時的なものをつくりたいのか...」という質問に対して「恐竜が現在いないように、地球上に存在するものすべてが一時的なもの。(何万年という地球の歴史の中では)」という答えがすごく印象に残りましたね。
一時的なものだからこそ形には残らなくても記憶には残る何かを感じさせられた講演会でした。

■Christo and Jeanne Claude
http://christojeanneclaude.net/

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